池袋演芸場(夜の部)
2009-08-09


本当は昼の部だけで帰る予定でしたが、この週末アパートのすぐ近くの広場で納涼盆踊り大会が開かれていて、正直ただうるさいと思うだけで早く帰っても仕方ないのと、夜の部にお気に入りの「柳家さん喬」師匠や「ロケット団」、「柳家花緑」師匠が出演するので、引き続き残って噺を聴くことにしました。

夜の部の出演者・演目は以下の通り。

三遊亭 玉々丈 「金明竹」
 三遊亭 金兵衛 「初天神」
 隅田川 馬石 「壷算」
 ダーク 広和 奇術
 春風亭 百栄 「状況説明窃盗団」
 柳家 花緑 「長短」
 ロ ケ ッ ト 団 漫才
 柳家 さん喬 「抜け雀」
〓お仲入り〓
 林家 彦丸 「代脈」
 翁家和楽社中 太神楽曲芸
 林家 正雀 「牡丹灯記」
〓お楽しみ〓
 林家 正雀・彦丸 踊り「かっぽれ」

金兵衛さんの「初天神」は、以前鈴本演芸場でも聞いたことがありますが、今日はどうしたのか団子を買う場面で蜜と餡子が逆に言い間違えてしまい、本人もそれに気づいて「お父っつあん小言を言いづらくなったじゃねぇか」と自分で突っ込みを入れているのが可笑しかったです。噺は団子屋の主人の目を盗んで、なめ回した団子を壷に突っ込むところまで。

百栄師匠の落語は初めて聴きましたが、圓朝祭で飲んで来たのか、初っ端からグダクダ。話の筋と関係ないところで、後に控える花録師匠などの名前を出して助けを借りていましたが、真打として如何なもんでしょうねぇ。噺そのものはまぁまぁ面白かったので、今後の精進に期待をしましょう。

そこへいくと花録師匠は若いながら落ち着いた高座で、性格の異なる2人の登場人物(短気な人と気長な人)を面白おかしく表現して、特に短気な人物の所作(団子を奪って食べる場面や、せわしく煙管煙草をふかす場面)は見ていて気持ちが良かったです。

ロケット団は相変わらずテンポの良いしゃべくり漫才で、すでに何回も聞いて「またか」と思うネタも少なからずありましたが、やるんじゃないかと思っていた例の反社会的タレントのかつての流行語(マンモス悲しピーなど)を早速ネタに織り込んで会場を沸かせていました。

前日のTBSラジオ(久米宏ラジオなんですけど)にゲストで出演しているのを聞いていて、寄席やライブを大事に活動していると言うことでしたが、一発屋で終わらず末永く活躍してもらいたいと思うコンビです。

仲トリはお目当てのさん喬師匠。たまたま今日の未明TBSの「落語研究会」にもさん喬師匠の高座(「もう半分」)をやっていましたが、相変わらず落ち着いた口調でたっぷりと「抜け雀」を聴かせていただきました。

仲入り後の食いつきは、彦丸さん。初めてお目にかかりましたが、まるで役者さんかと思うような美形の噺家さんで、女性の落語ファンにはさぞ人気があるんじゃないかと思う注目の噺家さんです。

続く太神楽が終わると場内の照明が暗くなって、いよいよ夜の部主任の正雀師匠の怪談噺。最初に「牡丹灯籠」の原作で中国の物語との解説があってから噺に入りました。

実は怪談噺を聴くのはこれが初めて。どんな仕掛けがあるのかと期待しつつ耳を傾けていると、クライマックスでいきなり鳴り物の太鼓が大きな音を出してビックリ。昔の人はこうしたもので涼をとっていたんですかね?普段聴く落語と違い笑う場面はありませんが、これはこれでなかなか面白かったです。(噺よりも怖かったのは、途中で発生した地震。地下2階にいたものですから、下手をしたら生き埋めになるんじゃないかとこちらの方で冷や冷やしました)

終演後場内が明るくなり、これで終わりかと思いつつ帰り支度をしていると、下手から彦丸さんが浴衣にたすきがけの格好で登場してきて、「これから「かっぽれ」を踊ります」と言うので、場内から再び大きな拍手。

噺家さんは、落語以外にもいろいろな芸事を身につけなければいけないとは聞いていましたが、彦丸さんの踊りは指先までピシッと決まった動きで、非常に様子がよくて、見ていて気持ちが良かったです。


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[落語]

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